STORY 2|ちょこっと放浪記|金木犀と止まない雨

今日も雨が止まない。「止まない雨はないんだよ」ドラマか映画のワンシーンで、何度か聞いたこのフレーズ。雨は止まないが、今日始まった事といえば、金木犀の心地良い香り。庭の立派な金木犀が今年も香り始めた。

そりゃあ止まない雨は無いだろうけど、雨に打たれている時間が長く続くと、「この雨は果てしなく続くのではないだろうか?」そう思ってしまうのが人間ではないだろうか?むしろ、そう思う方が自然で、人間“らしさ“を感じる気がする。


止まない雨は無い。この言葉はマインドセットの一つとして、僕は昔から取り入れている言葉ではあるが、マインドセットというのは、ポジティブマインドの時は最大限に自己コントロールできるが、ネガティブなゾーンに没入し始めると、その当事者には綺麗事でしか無くなる。

マインドセットが重要だと、僕が主催するオンラインコミュニティで唱えているにも関わらず、それでいいんじゃないかなぁと思ってもいる。

暗闇しか見えなくなったら、誰から何と言われようと、暗闇は暗闇なんだから。そこにマインドセットという一筋の光を一瞬照らしたとして、暗闇にいる人間からは、目眩しの光になってしまう。照らすなら、その目眩しが落ち着き、視界の輪郭が鮮明になるまで、程よい光で照らし続けなければならない。

果たして、世の中に無数にいる『助言したがりな人々』に、その覚悟はあるのだろうか?一瞬の光では無く、安堵の明かりを灯し続ける覚悟はあるのだろうか?


「止まない雨はないんだよ」

この分かりきった事実でさえも、低気圧があれば高気圧がある事実さえも、朝が来たら夜が来る事実さえも、その法則が通用しない状況はある。

けれども、放っておいても雨はいつか上がり、朝は来るし、低気圧の次には高気圧が来る。放っておけば来る。放っておけないのが人間であり、それは自分自身も、周りの人間も、おせっかいな人間というのは、放っておけないのである。

SNSで顔も知らない見ず知らずの相手の発信に嫉妬したり、針のようなコメントで傷つけたり、放っておいても人生に何の影響も齎さない相手でさえ、放っておけないのだ。

それもまた人間。


雨は降っている。それだけが今の事実。ポジティブに「止まない雨はないんだよ」が良い時もあれば、傘を貸すだけが良い時もあるだろうし、一緒に雨宿りしながらハーブティーを飲むのも良いかもしれない。

例え、自然の法則が「止まない雨はない」と言っていたとしても、時には、雨が止む未来への希望ではなく、ただ今、この瞬間の雨を見つめる事が大事な時もあるだろう。

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